Art Incubation Program
シンポジウム「Botanical/Artificial Intelligence植物とAIから考える知性のかたち」

開催概要
2025年度CCBTアーティスト・フェローである岸裕真が取り組むプロジェクト「平行植物園」の一環として、生成AIと植物のあいだにひらかれる「知性」のかたちを考えるシンポジウムを開催します。生成AIが言葉やイメージを生み出し続け、人間の創造性のあり方が問い直されている一方で、岸は、脳を持たず、何百万年という時間をかけて環境と応答し続けてきた「植物の知性」にあらためて注目をしています。 本シンポジウムでは、「アート」「テクノロジー」「ボタニー(植物学)」の三つの領域を横断しながら、現代における「知性」の輪郭を引き直していきます。エコロジーとアートに関する展覧会を数多く手掛けてきたキュレーターの長谷川祐子氏をはじめ、テクノロジーや植物学の専門家がゲストに登壇し、植物とAIという二つの“異種の知性”を越境して議論する場をひらきます。 アート・インキュベーション・プログラムを通じて岸が開発中の「BI(Botanical Intelligence)」は、植物のふるまいをインターフェースとして、未知の知性との共創や対話を実験する、アートと研究開発が交差するプラットフォームです。そこで立ち上がる「植物的なインテリジェンス」のイメージは、AIを人間中心の枠組みから解き放ち、環境全体を巻き込んだ知のあり方を構想するための仮説でもあります。本シンポジウムでは、この問いを共有しながら、「人間だけに閉じないインテリジェンス」の姿と、それを前提にした社会・都市・表現の新しいかたちを探ります。 ※詳細は後日公開します。
アクセス
LIFORK HARAJUKU(渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 3F)
原宿駅東口より徒歩1分、明治神宮前〈原宿〉駅2番出口より徒歩1分
プロジェクト「平行植物園」
植物的視点から現代の人工知能(AI)を捉え直した、「植物知性(BI・Botanical Intelligence)」を開発するプロジェクト。光・風・土壌などの多元的な環境データを精緻にセンシングし、テキストや音声を出力する「生成BI」の実装を通して、人間・人間以外が共に繁栄できる「コモンズ」の開拓を目指す。完成したシステムはインスタレーション作品として植物園などにおいて公開するほか、研究開発の過程では専門家との協働や、オープンレクチャー、ワークショップ等の開催を予定。CCBTを拠点に、すべての存在にとっての共有資源である自然から思考し、新しい共栄地帯を発見することに挑む。

CCBT「アート・インキュベーション・プログラム」とは
CCBTのコアプログラムのひとつである「アート・インキュベーション」は、クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民(シビック)に開放することで、都市をより良く変える表現・探求・アクションの創造を目指すプログラムです。公募・選考によって選ばれる5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、CCBTのパートナーとして活動します。
Players

岸裕真
Kishi Yuma
Artist
Kishi Yuma reinterprets AI as alien intelligence and proposes the emergent relationship between humans and AI as an alien subjectivity, which he explores through paintings, sculptures, and installations created in collaboration with an AI that he developed himself. Since 2023, the AI model MaryGPT has curated almost all of his work. Kishi’s exhibitions include the solo show Oracle Womb (2025, √K Contemporary, Tokyo) and the group show DXP2 (2024, 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa). His awards include the short list for the CAF Award 2024. He is the author of Creating with the Unknown: On the Alien Encounter between Humans and AI (2025, Seibundo Shinkosha).