アート・インキュベーション
土井樹 展覧会「あたらしい天気」
開催概要
2025年度アーティスト・フェローである土井樹は、わたしたちを絶えず包みながら意識されることの少ない「微気象(micro climate)」に焦点を当てたプロジェクト「Weather」を進行中です。「Weather」ではこれまで、従来の気象庁などによる広域データでは捉えられない、微細な環境変化を観測するオリジナルの気象センサーデバイスの設計・開発や、個々の小さな天気を観測し、共有するワークショップの開催などを展開してきました。 天気とは、予報やデータとして一定の基準に則って公に共有される一方で、人のその日の体調や気分によって個々それぞれに感じられる、生活に密接に関係しながらも私たちの意思では左右できない他律的な現象です。 本展では、プロジェクトを通じて収集されるリアルタイムの微気象データを出発点に、通常とは別の方法で呼ばれ、測られていたかもしれない──ありえたかもしれない天気を思考する場を生み出します。数値でも言葉でもないかたちで立ち現れる天気と、その計測や想像の痕跡に触れ、わたしたちの知覚や認知に根ざした、より自由で豊かな「あたらしい天気」を体感してください。 会期中、2月22日(日)および3月1日(日)の14時からは、関連トークの開催も予定しています。※詳細は近日中に発表します

Weather
従来の気象庁などによる広域データでは捉えられない、風の流れ、気温、照度といった微細な環境変化──「微気象(micro climate)」を、市民自らが観測し、データと観測行為そのものをコモンズとして共有する。集められた情報は、音・光・触覚といった言語以前の知覚体験へと写像/変換することを試み、プロジェクトを通じて個人に引き寄せられた「天気」は、作品として再び公に開かれる。これらを通じて、言語やイメージに偏った今日的な社会において、人間の知覚・認知に根差した「別種の知」を取り戻すことを目指す。
開催概要
土井樹「あたらしい天気」
会期:2026年2月20日(金)〜3月1日(日)13:00〜19:00 ※最終入館18:30
休館:2026年2月24日(火)
会場:東京都文京区千駄木3-35-12
観覧料:無料 ※本展はビルの1Fおよび2Fで開催します。建物の構造上、エレベーターがなく階段での移動が必要です。 車椅子をご利用の方や階段の昇降に不安のある方は、来館予定日の2日前までに、下記メールアドレスまでご連絡ください。対応可能なサポートについて、事前にご相談させていただきます。
問い合わせ先:contact@ccbt-art-incubation.jp
関連トーク「屋上から」 ※詳細は近日中に発表
日時:2026年2月22日(日)、3月1日(日)14:00〜
会場:東京都文京区千駄木3-35-12
スピーカー:下西風澄(哲学者)、土井樹ほか
観覧料:無料 ※事前申込不要
アクセス
東京都文京区千駄木3-35-12
東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩2分
「Weather」の流れ
1. 気象センサーデバイスの設計・開発
従来の気象庁などによる広域データでは捉えられない、温湿度、気圧、風向、風速といった微細な環境変化を観測するオリジナルの気象センサーデバイスを設計・開発。
2. ワークショップ「天気をつくる」の開催
1.で開発したデバイスを自宅のベランダや職場の窓ぎわなどに設置し、それぞれの天気を観測し、共有することを通じて、プロジェクトに参加するメンバーを募集。ワークショップでは、参加者自らの手でセンサーの組み立てを行うとともに、土井による気象にまつわるレクチャーも実施。
3. ウェブアプリケーション「Refuge」の公開
プロジェクトメンバーにより集められたデータは、オリジナルのウェブアプリケーション「Refuge」で共有。それぞれの知覚に基づく小さな天気がゆるやかにつながります。
4. 展示「あたらしい天気」の開催
2.3.を通じて収集されたリアルタイムの微気象データを出発点に、通常とは別の方法で呼ばれ、測られていたかもしれない──ありえたかもしれない天気を思考する場を創出。


クレジット
プロジェクトディレクション/アーティスト:土井樹
アートディレクション:涌井智仁(WHITEHOUSE)
テクニカルディレクション:村川龍司(arsaffix)、浪川洪作 (7ild3)
テクニカルサポート:イトウユウヤ(arsaffix)、伊藤隆之(CCBT)
機材協力:井上岳(GROUP)、渡辺志桜里
インストール:駒木崇宏、石毛健太
プロジェクトマネジメント:金森千紘(infans.)、見目はる香(oar press)
グラフィックデザイン:加瀬透、宇呂映作
記録撮影:新津保建秀
記録映像:薛大勇
CCBT「アート・インキュベーション・プログラム」とは
CCBTのコアプログラムのひとつである「アート・インキュベーション」は、クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民(シビック)に開放することで、都市をより良く変える表現・探求・アクションの創造を目指すプログラムです。公募・選考によって選ばれる5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、CCBTのパートナーとして活動します。
プレイヤーズ

土井樹
Doi Itsuki
音楽家、複雑系研究者、Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー
社会性生物の群れの同期現象などをテーマに研究を行うとともに、 人工システムを含む「他者」が持つ固有の経験や感じ方を、その存在自身の立場から理解するための手段をテーマとして作品制作を行っている。主な展覧会に「ALTERNATIVE MACHINE」(2021年、WHITEHOUSE) 、「海の見方を忘れた」(2022年、Jinnan House)、「MONAURALS」(2023年、WHITEHOUSE)、「Harsh Listening」(2025年、LEESAYA)。主な音楽作品に『Peeling Blue』(CD、2017年)。